
株式会社フクテコ
- メーカー(機械・電気・電子)
- 島根県松江市

登録企業情報OPERATING COMPANY
株式会社フクテコの家族的経営は創業時まで遡ります。福頼弘樹社長の祖父・弘二氏は半農半漁の生活を送っていましたが養鰻事業が水害により大損受けたことから、昭和年、小物溶接工場として夫婦で再出発します。佐藤造機(株)(現・三菱農機(株))の二次下請けとして農機具部品加工を始め、創業年後に小型プレス部門を開始しました。そして翌年にはドアーロックの株式会社ゴールと、ドアー部品納入取引を開始することになりました。「創意工夫によって、良い製品を、より安く」の精神で、小物金属部品加工業界のニーズに応えられる現体制の基礎を固めていきました。そして昭和年には三菱農機から一次協力工場に指定されました。創業の地は大山を望み、中海に面した景勝の地でしたが、当時は設備も人材も不足しがちな家族経営でした。実績もないままコツコツと技術を習得。従業員確保も大変でした。近所の方にパートの手を借り、納入期限に間に合わせる綱渡りの連続でした。「社員さんに働いていただいている、と感謝の日々でした」とは、創業者の言葉です。この家族的経営のスピリットは、創業者から現会長・敏文、そして就任間もない現代表に確実に継承されています。
フクテコのスローガンは「スピードへの挑戦」です。緩やかに連携する10数社のネットワークを最大限に生かし、材料手配から素材加工、組み付け、表面処理までを一括して受注し、様々なニーズに対応できる体制を構築しています。「元気を発信し続ける元気な会社でありたい」との想いから、時代の変化へ対応し続けていきます。弘樹社長が就任してわずか数年ですが、最新工作機械の設備投資や、技術的・人間的な成長を促す人財育成、家族工場見学会の実施など、挑戦・イノベーションを着実に積み重ねています。ちろん、ただスピードにこだわっているわけではありません。「効率的だけでなく、より効果的に」と物事をとらえ、人財育成と技術伝承はマンツーマン、本気で人を育てています。若い技術者育成の環境整備が最優先テーマなのです。従業員は24名です。ここ数年は20代の若者の新入社員が多く、現在は6人います。技術の伝承、働きがいのある職場作りに力を入れ、65歳以上は嘱託として長く勤務することができます。創業者はもともと専門の職人ではありませんでした。それがコツコツと技術を習得し、研鑚、熟練、挑戦を続け、信頼を獲得していきました。技術に裏打ちされた小型部品の品質の高さ、短納期、誠実な対応が、納入先からの信頼として培われてきたのです。これからも、取引先から「フクテコでなければ」と長く信頼を得られる企業であるため挑戦を続けています。フクテコの未来は若い技能者が担います。
私は高校卒業後、5年間東京でバイト生活をしていました。でも少しずつ、自分というものを知っていく中で、親を安心させたい気持ちが強くなり、島根に戻り就職しました。住み込みで3年間酪農に携わりましたが、その後、家族での時間をより多く得るために退職し、実家から通える職場を探すことにしました。ハローワークに相談に行くと、若年者人材育成制度にいち早く認定されていた「フクテコ」を紹介してくれました。製造業の経験がない私でしたが、先輩や上司が丁寧に教えて下さり、納得できるまで指導してくれました。家族工場見学会に参加した私の家族も大いに喜んでいました。ぬくもりのある仲間とともに、「スピードへの挑戦」というスローガンのもと、日々製品作りに取り組んでいます。ゼロからの挑戦でしたが、入社できて本当に良かったです。
取引先から寄せられる信頼は、和を大切にする家族的経営から生まれる