須山木材株式会社
- その他
- 島根県出雲市
登録企業情報OPERATING COMPANY
須山木材株式会社は、創業137年目を迎える老舗木材会社です。5代目の須山社長は、低迷する林業・木材産業に貢献しようと、様々な取り組みを行っています。例えば、知識や勘、経験が必要だとされてきた製材加工の仕事に、最新式のコンピュータ設備を導入し、未経験者やハンディキャップのある人でも働きやすい職場環境を整えています。高機能設備の導入によって、大型木造建築物に使われる製品をつくることが出来るようになりました。付加価値の高い製品は、都市部で高い需要があります。県外で売れる製品をつくることで、地元の木材業界を活性化して雇用を生み出すと同時に、その収益を地元の山林のために還元するという「地産地消」「地産外消」を組み合わせた「循環型林業」が、当社のモットーなのです。
地域資源である500ヘクタールの社有林を大事に育て、間伐や育林、木育(もくいく)にも力を入れています。なかでも、木育の一環である森林ツアーを始めたきっかけは、地元保育園から、「園舎に使われている木材が、どんなところに生えているか子どもたちにみせてあげたい」との依頼からでした。森林に招いて作業をみてもらったところ、普段山に入ることのない園児たちは、大喜びでした。園長さんから送られたお礼の手紙には、その後、園児達が保育園の床や柱をきれいに磨くようになったことや、将来の夢が「木を伐る人」や「ショベルカーに乗る人」になった子が出てきたことが書いてありました。手紙を読んだ須山社長は、林業の未来のために、多くの人に自分たちの仕事を身近に感じてもらうことが重要だと考えています。かつて山は財産でしたが、現在は税金の支払いや維持管理に苦労する人が増えてきているそうです。このことは、森林率全国第3位の島根県にとって切実な問題です。当社では、山を維持管理できなくなった方から山林を譲り受け、複数の土地をまとめ道路整備し、地域にある閉じ込められた資源を活用する取り組みをしています。今後はさらにその範囲を広げ環境企業として皆様にお役に立てる企業を目指しております。
当社では、QCサークル(品質管理活動を自主的に行う小グループ)活動が盛んです。木材業界では珍しいとされる同活動は、先代社長のときから30年も続いています。品質改善について真剣に語りあうことで、コミュニケーションの格好の場となっています。年2回の発表会に向けて各グループとも研鑽しあい、大いに盛り上がります。須山社長は、「人は木に似ている」と言います。木は、高さによって見える景色が違い、常に太陽の方向を向いています。厳しい自然に長い年月耐えてきた大きな木は、大地に深く根を張って倒れません。人もそれと同じだと考えているのです。社員には、その段階でしか味わうことのできない経験を重ね、向上心を持って日本や世界を見据えると同時に、地元に深く根を張って伸びていく大木のような人になってほしいと願っています。
入社して半年。製材工場から総務部へ移って1ヶ月目の新人です。高校で農業、大学で林業を専攻していたことや、制作に木が使われるギターが好きなこと、名前に「樹」の字がつくことから、林業に興味を持つようになり、当社への就職を決意しました。入社時の面接では、私の話を丁寧に聞いてくれたので、不安を感じることなく話ができました。この会社に入って良かったことは、人生にとって大切な「衣食住」の「住」という分野に関われることです。それが自信につながり、会社に対する誇りにもなっています。会長や社長との距離が近いことも印象的でした。相談事があればいつでも声をかけてと言ってくれるので、大変心強く感じています。今後は、たくさんの経験を重ねていき、早く仕事全体を見渡せるようになりたいです。そして、いつか地元林業発展の力になると同時に、マルチな人材として経営面でも活躍できたらと思っています。
地元の宝「木材」の地産外消費で、島根を元気にする